この章では、少しメールから離れてコミュニティ(掲示板)の話題です。でもご安心ください。コミュニティとメールは深い関係があるのです。このコラムの最後にそのお話をしますが、まずはコミュニティ自体について学びましょう。
今回はコミュニティの達人であるヤマハ株式会社の音楽ポータルプロジェクトリーダー鞍掛氏にお話を伺いました。
ヤマハが運営する音楽ポータルサイト、ミュージックイークラブには幾つものコンテンツがありますが、その最大の目玉はコミュニティです。
具体的には「プレイヤーズ王国」とネーミングされたコミュニティです。ここでは、音楽演奏を楽しむ人たちが自分の曲をアップロードして公開することができます。また、曲を聴くだけという参加も可能。そして通常のコミュニティのように掲示板での意見交換がなされます。
このコミュニティ、月間延べ50万人の訪問があり、アップロードされた曲は、月間で合計100万回聴かれているとのことです。ヤマハが提供するこの仮想空間で非常に活発なコミュニケーションが音楽を愛する人たちの間で交わされているわけです。
実はこれ以外にもヤマハの運営する、ちょっと毛色の異なるコミュニティがあります。MusicFrontと呼ばれるサイトです。
さきほど紹介したプレイヤーズ王国が草野球をワイワイ楽しむ人たちの集まりだとすると、こちらはプロとしてデビューを目指す予備軍が集まる場所です。極めてレベルの高い演奏がアップロードされ、その中から将来のカリスマが生まれようとしている場所。
全く異なる二つのタイプのコミュニティをヤマハは運営しているわけです。では、その背景について鞍掛氏に聞いてみましょう。
西田 : |
プレイヤーズ王国の活気は凄いですね。でも、どうしてヤマハさんがコミュニティ運営にこれだけ熱心なのですか? |
鞍掛氏: |
実はヤマハは皆さんに楽器を買っていただくことでビジネスが成り立っています。そのための種まきとして、以前から音楽教室や「ポプコン」などで音楽を楽しむ人たちの裾野を広げる活動をしてきました。インターネットがここまで普及した今、その活動をネットで行おうとするとコミュニティにいきついたわけです。 |
西田 : |
なるほど。プレイヤーズ王国誕生の背景には、あの「ポプコン」があったというわけですね。 |
鞍掛氏: |
あと、最近ではインディーズに代表されるような、身近な人たちが作り出す音楽を楽しむ人たちが増えています。以前のような企業側に作られたカリスマの時代ではないのです。そんな背景にもネット上のコミュニティがマッチしたのかもしれませんね。 |