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2012年02月19日(Sun)
「ドラッカーのマネジメント」を学ぶ
「ドラッカーのマネジメント」を学ぶ
~輸送経済新聞「物流塾」連載から⑯~
上野周雄
ドラッカー学会理事
個人の力どう生かす――「強み」中心の人事を
今回は、「人は、他の諸々の資源とは異なり、働くか働かないかについてさえ、本人が支配力を持っている。―中略― 人は、いかに働くか、どれだけ働くかを自ら決める」(『現代の経営』)。よって、人的資源については常に動機づけが必要となる。
人は経済的な必要性だけで働くのではない。自らの得意なことで、何かを成し遂げたがっている。
したがって、一人ひとりの能力、判断、スキルなどの強みと関係なく仕事を組織することは、成果を挙げる組織としてあってはならない。人が組織の中で自主的に働くとき、彼らの仕事ぶりや成果は、より良い仕事をしたいという意欲に左右される。そのために重要なのが人事配置だ。
人事は強みを中心に据える。つまり人の弱みを最小限に抑えることより、強みを最大限に発揮できる組織とする人事でなければならない。
「リンカーン大統領は最高司令官の人選にあたって、グラント将軍の酒好きを参謀から注意されたとき、『銘柄が分かれば、他の将校たちにも送りなさい』と言ったという」(『経営者の条件』)、まさに弱みを無視し強みを最大限に発揮させる選択。グラント将軍の活躍は、南北戦争で北軍に勝利をもたらした。
成長できる組織作りが鍵
ドラッカーは、「結果を生むには、自らの強みと共に利用できる全ての強みを総動員しなければならない」という。
グラント将軍は戦術的能力だけでなく、より広い視点に立った戦略家として南北両軍を通じ最も優秀であったといわれる。軍隊という組織の内で自らの強みと共に同僚の強みや上官の強み、他の利用できる全ての強みを総動員したからこそ、北軍を勝利に導くことができた。
「一人一人の人は個人であり続ける。―中略― ということは、個人の強み、主体性、責任、卓越性が、集団全体の強みと仕事ぶりの源泉となるよう仕事を組織する必要があることを意味する。これは組織に関わる第一の原則である。事実上これが組織の目的である」(『現代の経営』)
個人の成長が自身や仲間の助けとなり、集団全体の強みと仕事ぶりの源泉となる組織を設計しなければならない。仕事こそが人の成長を促し方向付けるべきであり、「さもなければ、仕事は人それぞれの特質を発揮することができない」とドラッカーはいう。
働く人にとって、仕事は常に挑戦でなければならない。働く人のスキルも努力も判断もいかなる挑戦も求めない組織は、人的資源の本性に反し、集団全体の水準を低下させこそすれ向上させることはない。「人の本性は、最低ではなく最高の仕事ぶりを目標とすることを要求するからである」(『現代の経営』)。
(輸送経済新聞 平成23年8月23日)
投稿者:上野 周雄
タグ: マネジメント
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